権限範囲指定メンバー
状況
組織変更に対応するために、組織ディメンションにおいて「年度別メンバーツリー 」を適用している。その帰結として、集計レベルの部門おのおのについて、年度ごとに異なる複数のメンバーが組織ディメンションに存在する。
配慮すべきことがら
-
ユーザーにとっての使い勝手:自分が使うべき業務責任単位を、ユーザーが簡単に識別し選択できることが望ましい。
-
メンテナンスの容易さ 年度の切り替えに際して権限設定のメンテナンスの手間が小さい方が好ましい。
-
アプリケーションデザインのシンプルさ:権限付与のためにアプリケーションに付け加えられる複雑さが小さいことが望ましい。
解決策
「年度別メンバーツリー 」で年度別に設けられる集計レベルの部門メンバーを、集計部門ごとに束ねるメンバーツリーを別途設ける。そのメンバーツリーの親メンバーと業務責任単位を対応づける。 対象は集計レベルの部門に対応する業務責任単位だけである。
「年度別メンバーツリー」を適用する場合、たとえば関西地区本部について「関西地区本部(03年度)」「関西地区本部(04年度)」といったメンバーが設けられる。当パターンでは、これらをたばねるメンバー「関西地区本部」を設ける。このメンバーは年度別メンバーツリーの外に置かれ、 権限範囲指定メンバー と呼ばれる。そして、権限範囲指定メンバー「関西地区本部」に対応して業務責任単位「関西地区本部」を設ける。 これらの業務責任単位には、権限範囲指定メンバーそれぞれひとつを、責任範囲指定キーとして紐づける。
適用の帰結
利点
-
アプリケーションデザインのシンプルさ:業務責任単位に組織ディメンションのメンバーを1対1で紐づけて、それを手掛かりとしてアクセス可能範囲を定義するアプロ―チは、fusion_place の設計思想に沿っており、シンプルでわかりやすい。
-
ユーザーにとっての使い勝手:集計レベルの部門のユーザーはどの年度のデータを照会する場合にも同じ業務責任単位を用いればよい。これは、年度別の業務責任単位 パターンに対する当パターンの利点である。
制約
-
メンテナンスの容易さ 年度が進むごとに、権限範囲指定メンバーの配下に新年度分の集約部門メンバーを配する必要がある。これには一定の手間がかかるが、クリップボードからのメンバーインポートで行うことができるので、作業量は小さいと思われる。
関連するパターン
先行パターン
-
本パターンは「年度別メンバーツリー 」の適用を前提として、権限設定に関するアプローチを提示している。
その他の関連パターン
-
代替パターンとして、年度別の業務責任単位 がある。