売上高 売上原価 売上総利益 (売上総利益率) ←算出項目 販管費 営業利益 (営業利益率) ←算出項目 …
伸縮する縦軸(Excel)
コンテキスト
伸縮する縦軸で述べたような状況は、Excel-Link を用いる場合にも生じます。すなわち、部門別や商品群別、科目別などに数値内訳を表示するシートにおいては、縦軸や横軸に部門・商品群・科目といったディメンションのメンバーを並べて各々に関する数値を表示するでしょう。
ディメンション上で部門・商品群・科目などが追加・廃止される場合、あるいは集計の括りが変更される場合があります(例えば、三重支店を管轄する本部が関西地区本部から中部地区本部に変わる)。Excel-Linkシートは種類が多くなりがちなので、このような変更に際して、多数あるシートをいちいち修正するのは手間がかかります。
問題
個々の部門・商品群などを表す「メンバー」がディメンションに追加される場合、メンバーツリーから削除される場合、あるいはメンバーツリー上で移動される場合、要するに メンバーツリーがなんらかの形で変更される場合、Excel-Linkで表示される表にその変更が自動的に反映されるようにしたい。
配慮すべきことがら
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即時波及:メンバーツリーの変更は、意図されるすべてのExcel-Linkシートでの軸表示に即時に反映されることが望ましい
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設定のしやすさ:メンバーツリーの変更を個々のExcel-Linkシートの表示に反映するための設定はシンプルでかつ設定記述の量が少ないことが望ましい
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共通化:同一の条件でメンバーツリーを表示したいExcel-Linkシートは多数存在することも想定される。そうした場合、設定の手間を削減するだけでなく、Excel-Linkシートの仕様に関するコミュニケーションを容易にするためにも、設定を共通化する手段が提供されるべきである
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1階層及び複数階層の表示:組織などの階層をフォームで表示する際には、1階層だけ表示する場合もあれば、複数階層にわたってブレークダウンされるように表示する場合もある。いずれの場合も、メンバーツリーの変更は自動反映されるべきである
解決策
Excel-Linkのテンプレート処理を用いて、指定されたメンバリストに含まれるメンバーを対象に、複数行からなるグループを繰り返す。 テンプレート処理では、行方向の可変回の繰り返しのみ可能である。
テンプレート処理シートでは縦軸方向にループすなわち複数行からなるグループの繰り返しを展開することができます。ループには、特定ディメンションとその特定のメンバーリストが割り当てられ、当該メンバーリストに含まれるメンバー各々について、行のグループが展開されます。ループはネストさせることも可能です。
詳細な説明は、ユーザーマニュアルのテンプレート処理の箇所にあります。
適用の帰結
利点
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即時波及:メンバーリストは、Excel-Linkシートでデータ取得するたびに各ディメンションの最新の内容を反映して再作成されるので、列・行はディメンションの最新内容にもとづいて表示される
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設定のしやすさ:メンバーリスト定義の設定項目はわずかである
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共通化:メンバーリストは、Excel-Linkシート上で定義するのではなく、ディメンションに含めて定義することもできる。Excel-Linkシートでは、ディメンションのメンバーリスト定義を参照して適用することで、設定の手間は削減され、仕様に関するコミュニケーションも容易になる
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1階層及び複数階層の表示:メンバーリストでは「展開方法」の指定によって、直下の子メンバーのみでなく、子孫メンバーなども含めることができる
制約
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設定のしやすさ:メンバーとメンバーの間に、集計メンバーでは表現できない算出項目を表示したい場合は、設定が複雑になる。メンバーリストを分割せざるを得ないからである。例えば、以下のようなP/L勘定科目並びをテンプレート処理で動的に表示したいとする:
この例で、売上総利益率はシート上での算出項目であり、それに相当する勘定科目メンバーは存在しない。こうした表示はテンプレート処理ではできない。各シートでテンプレートはひとつしか設定できないので、フォームで可能なように、売上高から売上総利益までをひとつのループ仕様とメンバーリストで表示し、算出項目として売上総利益率を表示した後に、販売費以下を別のループ仕様とメンバーリストで表示することもできない。
回避策として、算出項目は中途ではなく先頭に並べるようレイアウトを修正することが考えられる。このケースでは、すべてのP/L勘定科目を並べる範囲の上方に指標欄を設けて算出項目を表示する。
… (売上総利益率) ←算出項目 (営業利益率) ←算出項目 … 売上高 売上原価 売上総利益 販管費 営業利益 …
この例で、指標欄はテンプレート範囲に含まれない通常のリンク領域である。その中でデータを取得し、指標を計算する。売上高以降の行はテンプレート処理の結果表示範囲とする
関連するパターン
後続パターン
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メンバーツリーを複数のうちから選択することも可能です。これは「世代別メンバーツリー」や「任意集計用メンバーツリー」を設けた場合に必要となります。詳細は各パターンを参照してください
その他の関連パターン
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本パターンはExcel-Linkシートを対象としている。フォームでは、ループを用いれば、縦軸方向と横軸方向のいずれも可変的にすることができます「伸縮する軸」を参照してください