メンバリストの詳細

設計者

メンバリストは、メンバのツリーをたどることによって作成されます。メンバリストを定義するには、ツリーのたどり方とメンバの選択条件を指定します。具体的な設定項目は以下の通りです。

メンバリストの詳細については、メンバリストをご参照ください。

メンバツリーのたどり方

メンバツリーのたどり方は、「展開方法指定」と「起点メンバ指定」によって指示します。

展開方法指定

「展開方法」として、以下のいずれかを選択可能です。

展開方法 メンバのたどり方

展開なし

「起点メンバ」のみを対象とします(メンバの「たどり処理」を行ないません)。

子メンバ

「起点メンバ」およびその直下の子メンバをたどります。

子孫メンバ

「起点メンバ」およびその下の全てのメンバをたどります。

最下位メンバ

「起点メンバ」の下の全ての最下位メンバ(子を持たないメンバ)をたどります。

たどり処理の結果としてメンバの並びが作成されます。メンバの並びの作成方法をさらに細かく制御するために、以下の 2 つの項目を使用できます(「展開なし」 を選択した場合を除く)。

項目 メンバのたどり方

起点メンバをリストに含める

この項目をチェックした場合、起点メンバをリスト(メンバの並び)に含めます。チェックしなければ含めません。

親メンバを先に並べる

この項目をチェックした場合、メンバの並びの中で、親メンバが子メンバの前に並ぶようにします。チェックしなければその逆に、子メンバすべてを並べてから親メンバが並べられます。

同じ親の配下の子メンバの並び順はいずれでも同じです(メンバツリー内での並び順通りになります)。

起点メンバ指定

「起点メンバ」とはたどり処理の起点ないし出発点となるメンバのことです。起点メンバは以下のいずれかの方法で指定します。

起点メンバ指定 指定される起点メンバ

指定したメンバを起点メンバとする

起点メンバをどれにするかを、メンバリストの定義にさいして直接指定します。

実行時の「視点メンバ」を起点メンバとする

メンバリストを実際に作成する際の「視点メンバ」を起点メンバとします。[1]

全メンバを起点メンバとする

ディメンションに含まれる全メンバを起点とします。すなわち、ディメンションに含まれる各メンバを起点としてたどり処理が繰り返されます。起点メンバの処理順は規定されていないのでご注意ください。[2]

全ルートメンバを起点メンバとする

ディメンションのルートメンバを起点とします。ルートメンバが複数ある場合、そのならび順にしたがってたどり処理が繰り返されます。

「指定したメンバを起点メンバとする」を選択した場合、メンバリストの定義に含めて、起点メンバを実際に指定します。

起点メンバとして指定できるのはシステム予約メンバとテンプレートメンバだけです。ユーザ定義メンバは指定できないのでご注意ください。これは、メンバリストは設計オブジェクトなのに対して、ユーザ定義メンバは管理オブジェクトであることによります。これらの違いについてはメンバタイプの項をご参照ください。

メンバの選択条件

「メンバ選択式」を用いれば、展開方法指定と起点メンバ指定にしたがって作成されたメンバの並びをもとに、メンバリストに残すメンバをさらに絞り込むことができます。メンバ選択式で記述した条件に合致するメンバのみがメンバリストに残されます。

メンバ選択式はテキスト式の方言のひとつです。詳細な文法についてはテキスト式の解説をご参照ください。ここでは、よく使われると思われる記述例をご紹介します。

記述例

プロパティ値の参照

絞り込みにはメンバプロパティを用いる場合が多いと思われます。その場合、メンバ選択式は 以下の例のように プロパティラベル = "値" の形式で記述します。

  // 使用中のメンバのみ選択
  #ACTIVE = "TRUE"
複合条件

複数の条件を ANDOR でつなげることも可能です。

  // さらに、「貸借区分/#DRCR」が「借方(DR)」のメンバに限定
  #ACTIVE = "TRUE" AND #DRCR = "DR"

メンバプロパティは設計者が追加できますので、プロパティを追加すれば、それを用いてメンバの絞り込みを自由に行えます。

メンバ選択式で参照できるディメンション

メンバリストは、ディメンションに含めて定義する他、フォームのループ仕様等で定義することができます。両者の間で、メンバ選択式にて参照できるディメンションの種類に違いがあります。

ディメンション内のメンバリスト

メンバ選択式ではそのディメンションのみ参照できます。

フォーム内のメンバリスト

すべてのディメンションを参照できます。特に、デフォルト設定値またはパラメタ選択により選ばれたメンバを、視点メンバとして POV メソッドにより取得することができます。例えば、選択されている相対期間メンバは以下の式により取得できます。

  Dimensions!#PERIOD!@POV

1. フォームの場合でいえば「視点メンバ」とは、フォームの実行時に「パラメータ」として選択されたメンバ、またはフォーム定義時に「デフォルト設定値」で指定されたメンバです。
2. メンバツリーに含まれないメンバも起点とされるので注意してください。