サーバ機の識別手段について

クライアントからサーバにアクセスするには、ネットワーク上でサーバ機を一意に識別する手段が必要です。識別手段としては「固定 IP アドレス」と「ホスト名」の2つがあり、いずれかを用いることができます。ここでは、両方についてご説明します。実際にどちらを使うかは、システム管理者とご相談してお決めください。

固定 IP アドレス

ネットワークにつながるすべてのコンピュータには「IP アドレス」という番号が割り当てられています。IP アドレスは 0 から 255 までの整数を4つならべた番号(コンピュータ上の表現で言えば 32-bit の 2 進数)で、例えば以下のようなものです:

145.216.0.108

クライアントプログラムからアクセスするサーバ機を指定するために、この IP アドレスを用いることができます。上記の IP アドレスを持つサーバ機にアクセスするためには、URL にて以下のように指定します:

http://145.216.0.108:50000/…​…​ (太字部分が IP アドレスです。その後に : で区切られて続く '50000' は「ポート番号」の例です)

しかしこの指定方法が使えない場合があります。それは、サーバ機として使おうとするコンピュータが「IP アドレスの動的割り当て」の対象となっている場合です。

IP アドレスの動的割り当ての対象となっているコンピュータは、固定された IP アドレスを持ちません。その代わりに、コンピュータをネットワークに接続すると自動的に IP アドレスが割り当てられます。割り当てられる IP アドレスには有効期間があり、それを過ぎると、いったん回収されます。その後、ネットワークに再接続すると、また IP アドレスが割り当てられますが、それが前回のものと同じという保証はありません。

ネットワークの普及初期には、個々のコンピュータに、固定された IP アドレスを割り当てるしかなかったのですが、その方法では管理に手間がかかります。それを回避するために動的割り当てという技術が考案され、広く採用されるようになりました。

しかし、サーバ機の IP アドレスがこのように頻繁に変わると、URL で IP アドレスを指定するのには不便です。すなわち、 サーバ機の識別手段 として IP アドレスを用いるのであれば、そのサーバ機の IP アドレスを固定する必要があります。IP アドレスの固定は、サーバ機のコントロールパネルから行うことができます。なお、IP アドレスの固定は、通常、システム管理者の権限事項とされていますので、システム管理者とご相談下さい。

ホスト名

ネットワーク上でコンピュータを識別する名前です。ホスト名を用いてサーバ機にアクセスするためには、URL にて以下のように指定します:

http://fusionplace.fusions.co.jp:50000/…​…​ (太字部分はホスト名の例です。その後に : で区切られて続く '50000' は「ポート番号」の例です)

固定 IP アドレスに比べてホスト名は、ユーザにとって分かりやすいということの他、いくつか管理上のメリットもあります。いっぽう、コンピュータにホスト名を付けるには「ドメインネームサーバ(DNS)」という、ホスト名から IP アドレスへの変換を行う特殊なサーバが必要となります。そのため、社内で DNS が運用されていなければ、あらたに設置するなどの手間がかかります。

ホスト名の付与も、通常、システム管理者の権限事項とされています。