保証表示形式について

設計者

ある期間のデータを入力ないし変更した場合、後続期間のデータはどのような影響を受けるでしょうか。「影響を受けない」というのが望ましい答えです。しかし「表示形式」を考えに入れると、「影響を受けない」という言葉の意味をもう少し厳密に定義する必要があります。

売上高を例にとりましょう。データが全く存在しない状態からスタートします。データの初期状態は以下のようになっています(会計年度は 1 月から始まるものとします)。

assured view per before

1 月度の売上高を入力するとデータの状態が次のように変わります。なお、2 月度以降の期別値は「影響を受けない」ものとします。

assured view per after

さて、入力前後で売上高の年度累計値がどうなっているかをみてみましょう。

assured view ytd before
assured view ytd after

1 月度のデータを 0 から 100 に変更したことで、2 月度以降の数値も変更されてしまいました。
2 月度累計値= 1 月度期別値 + 2 月度期別値ですから、1 月度期別値が変更され、かつ、2 月度期別値が「影響を受けない」とすれば、2 月度累計値が影響を受けるのは当然の結果です。

後続期間へのこうした影響についていろいろなケースを検討していくと、以下の規則があることがわかります。

  • 1 会計年度を通してみれば、ある期間の数値を変更した場合に、その後続期間のいずれでも数値が変わらないようにすることは、ただひとつの表示形式の数値に限って可能である。

  • その表示形式としてどれを選択するかは任意である。

fusion_place では、こうした「先行期間の数値変更の影響を受けない表示形式」を「保証表示形式」と呼んでいます。

保証表示形式としてどの表示形式を選択すべきかはシナリオによって異なることがあります。例えば予算実績管理業務では、予算については期別値を入力し、実績値については年度累計値を入力することにすると便利な場合があります。この場合、シナリオ「予算」については保証表示形式として「期別」を選択し、「実績」については「年度累計」を選択すれば良いということになります。

このようなニーズを踏まえて、fusion_place ではシナリオごとに保証表示形式を指定することができるようになっています。