合計 +---- 東京地区 +---- 六本木店 +---- 代官山店 +---- 東京地区調整 +---- 中京地区 +---- ・・・ +---- 合計調整
元帳セル値の入力と集計
(以下は注記元帳以外の元帳のセル値について説明しています。注記元帳のセル値に関しては 注記元帳の項 をご覧ください)。
数値型データの入力と集計
セルの データタイプ が数値型(フロー値とバランス値)なら、データはリーフセル(リーフメンバの組によって指定される元帳セル)に入力され、ディメンションメンバのツリーに沿って集計されます。リーフセルでないセルは集計セルです。すなわち集計セルとは、そのセルを指定するメンバの少なくともひとつが集計メンバであるセルのことです。集計セルについては、その配下のリーフセル(集計セルを指定する個々のメンバの配下のリーフメンバの組み合わせで指定されたセル)の値が集計され、参照のみが可能です。ただし、以下の例外があります。
(1)相対期間ディメンションに関する例外
相対期間ディメンションでは、上位期間にてデータ入力することが可能です。上位期間へのデータ入力はその期間に含まれる最後の最小期間のデータに反映されます。たとえば第一四半期(Q1)のデータを入力した場合、第三月(M3)のデータが変更されます(第一四半期の最後の最小期間が第三月である場合)。
(2)表示形式ディメンションに関する例外
表示形式には親子関係がありませんが、保証表示形式でデータ入力した場合、他のすべての表示形式のデータが同期をとって更新されます。保証表示形式以外は入力不可です。
(3)増減科目ディメンションに関する例外
増減科目ディメンションにおいては、各増減科目の特性に応じて入力可否と算出方法が定められています。「 データタイプごとの増減科目入力可否および算出条件 」を参照ください。
集計セルへの数値データの入力・編集
シナリオの属性「集約レベル数値編集を許す」を ON にすると、そのシナリオにおいては、集計メンバであってもデータ入力・編集が許されるようになります。
(1)集計セルへの数値データの入力・編集
集計セルのデータ入力・編集が可能となるには、そのセルのキーを構成する各集計メンバについて以下の条件が満たされている必要があります。
-
その集計メンバのメンバタイプが「システム予約」ではなく、
-
その集計メンバの「使用区分」が「使用中」であって、かつ、
-
その集計メンバに対応する「調整メンバ」が存在すること。
ここで、「調整メンバ」とは、その集計メンバの最後の子孫メンバであり、リーフメンバであるという要件を満たすメンバです。ただし、ひとつのメンバが複数の集計メンバの調整メンバとなることはできません。ある、メンバが、複数の集計メンバに対して左記2条件を満たすならば、1) それらの集計メンバが祖先―子孫の関係にあるならば、子孫側のメンバ、2) それ以外の場合は、メンバツリー上での出現順の早い方のメンバの調整メンバとなります。
例えば下図のメンバツリーにおいて、「合計」及び「東京地区」が「使用中」の集計メンバであるなら、それぞれの調整メンバは「合計調整」「東京地区調整」です。「合計調整」「東京地区調整」はリーフメンバでなければなりません。そうでない場合、上記の3つの目の条件が満たされないので、「合計」及び「東京地区」は入力不可となります。
上図では、調整メンバは、それぞれ、対応する集計メンバの直下にありますが、これは要件ではありません。例えば下図のように「合計調整」を「その他地区」の下位に置いても、依然として上述の上記の3つの目の条件は満たされますので、「合計調整」は「合計」に対応する調整メンバです(ただし、「その他地区」の「使用区分」が「使用せず」であるとします、そうでなければ「合計調整」は、「その他地区」の調整メンバとなります)。
合計 +---- 東京地区 +---- 六本木店 +---- 代官山店 +---- 東京地区調整 +---- 中京地区 +---- ・・・ +---- その他地区 +---- 合計調整
集計セルを指定する複数のディメンション(相対期間を除く)について集計メンバが指定されている場合、その各々について上記条件が満たされなければなりません。
なお、以下の点にご留意ください。
-
集計セルの値が変更されると、その変更差額が調整メンバに関するリーフセル(調整セル)にしわ寄せされます。調整メンバの「使用区分」が「使用せず」であっても、集計メンバの使用区分が「使用中」であれば、集計メンバレベルで値を変更可能となり、その結果調整メンバの値が変更される可能性があります。
-
集計セルに入力された値がデータベースに保存されるわけではありません。集計セルのデータ値を変更するとその変更差額が自動的に調整セル値に対して反映されるしくみです。従って、メンバツリー上で集計メンバの子孫メンバの構成を変更するとそれに応じて集計セル値も変わります。
-
ひとつの元帳で用いられている複数のディメンションで集計レベルでのデータ入力を可能とすると、元帳に保持すべきデータ量が著しく増える可能性があります。データ入力可能な集計メンバを限定するなどして、データ量の増大を抑制して下さい。
(2)入力可能な集計セルに従属するセル数値を入力・編集した場合における、集計セル数値の挙動
入力可能な集計セルに従属するセルの値を入力・編集した場合、通常は、その集計セルの数値は変化します。
例えば、合計 ― 地区 ― 店舗という三階層のメンバツリーを持つ「店舗」ディメンションを用いて店舗別の売上予算を地域別に集計しているケースを想定しましょう。メンバツリーは以下のようになっています。
合計 +---- 東京地区 +---- 六本木店 +---- 代官山店 +---- 東京地区調整 +---- 中京地区 +---- ・・・ +---- 合計調整
この場合、六本木店の売上予算を 1 千万円増やすと、(その集計値である)東京地区の売上高も 1 千万円増えます。これが、メンバツリーにもとづく通常の集計処理です。ここで、東京地区の売上予算を入力・編集可能としていたとしても、この挙動は同じです。
しかし、東京地区の売上予算を入力可とした上で、六本木店の売上予算を修正しても東京地区全体の売上予算には影響を与えないようにしたいという場合があります。地区別売上予算額がすでに確定していて、店舗別の売上予算が修正されたからといって地区別の売上予算は修正できない、といったケースです。
このような場合には、シナリオの属性「従属レベル数値の変更時、集約レベル数値を維持する」を ON にすると、六本木店の売上予算を修正しても、東京地区の売上予算は影響を受けなくなります。修正額は「調整メンバ」にて吸収されます。上述のケースならば、六本木店の売上予算を 1 千万円増やすと、東京地区に対する調整メンバである「東京地区調整」の売上予算が 1 千万円減り、東京地区の売上予算合計は元のまま維持されます。
なお、調整セルの数値を修正した場合、上記のような処理は行わなわれないのでご注意ください。例えば「東京地区調整」の売上予算を 1 千万円増やした場合には、調整のしようがないので、東京地区の売上予算も 1 千万円増えます。これが不都合であれば、(1)で述べたように調整メンバの使用区分は「使用せず」であってもかまわないので、そのように設定して、調整セルへの直接の入力を禁止することもできます。なお、これも(1)と同様、調整メンバの使用区分は「使用せず」にしておいても、上述した調整で値が変更される可能性がある点にご留意下さい。
ひとつの元帳で用いられている複数のディメンションで、集計レベルでのデータ入力を可能としている場合、従属レベル数値の変更時に集約レベル数値を維持する過程で、多数の調整セルの値が変更されます。このため、処理時間が係る可能性があるので、ご注意ください。
非数値型データの入力と集計
セルの データタイプ が「なし」なら、データの入力は許されません。それ以外の非数値型データタイプについては以下の規則に従います。
セルのデータタイプが非数値型(文字列値・論理値・列挙値)なら、データの集計は行なわれません。そのかわり、リーフセルだけでなく集計セルにもデータを入力することができます。
ただし、通常の元帳と同様、相対期間ディメンションにおいては、集計期間のデータ値は、その集計期間の最後の最小期間のデータ値と同一視されます。
例えば、12 カ月/ 4 四半期からなる通常の相対期間の定義では、第 3 四半期に対する注記は、その四半期の最後の最小期間である第 9 月に対する注記と見なされます。
元帳アクセスコントロール機能での入力制限
上記のルールのみに従えば入力可能なセルでも、 元帳アクセスコントロール の設定によって入力を禁止することができます。