元帳アクセスコントロールの概要

設計者 管理者

元帳アクセスコントロールとは、ユーザによる元帳セル値の読み書き(=アクセス)を、管理者が登録したルールに従って制限することです。元帳アクセスコントロールのために、fusion_place では以下の四つの手段が利用できます:

上記四つはそれぞれ単独で使用することも、併用することもできます。

ワークグループタイプのアプリケーションでは、増減課目表以外は利用できません。

元帳マスク

ユーザの担当職務や所属組織によらず、元帳の特定セルへの書き込みを禁止したい場合には、「元帳マスク」を用います。

  • 元帳マスクで制限できるのはデータの書き込みだけです。読み取りは制限できません。

  • アプリケーション内で、元帳マスクはひとつだけです。

  • 元帳マスクはすべての「業務責任単位」に一律に適用されます。

アクセス許可タイプ

ユーザの担当職務や組織にもとづいて、アクセス可能な元帳セルの範囲を柔軟に制御したい場合には、「アクセス許可タイプ」を用います。

  • アクセス許可タイプでは、読み取り許可条件と書き込み許可条件をそれぞれ設定できます。

  • ひとつのアプリケーションに、アクセス許可タイプは何個でも設けることができます。

  • アクセス許可タイプは「業務責任単位」ごとに割り当てられます。

元帳マスクとアクセス許可タイプの使い分け

元帳マスクは、業務の観点からみて妥当でないデータの入力を禁止するために使用されます。

部門別の費用発生額データを収容する元帳では、部門の種類と勘定科目の組み合わせにもとづいて、入力可能セルを限定したいかもしれません。たとえば製造部門と一般管理費の組み合わせは入力不可といったケースです。[1]こうしたニーズに対応するのが「元帳マスク」です。

一方、アクセス許可タイプは、ユーザのデータアクセス権限を、ユーザが所属する部門やユーザの担当職務に基づいて制限するために用いられます。

ある部門には自部門データを参照することだけを許し、別の部門には特定事業部門のデータすべてを参照・更新できる権限を与えたいかもしれません。こういったアクセス制御を行いたい場合には、アクセス許可タイプが適切です。

増減科目表

増減科目表は、バランス勘定科目と増減科目の組み合わせに基づいてセルへの入力可否を制御するという限定された目的のために用意されています。たとえば、増減科目「売却」を設けた場合、勘定科目「借入金」との組み合わせは意味がありません。ですから、この組み合わせは入力禁止したいはずです。このような入力制御は、元帳マスクを用いて行うことも可能ですが、増減科目表を用いた方が簡単です。

  • 増減科目表で制限できるのはデータの書き込みだけです。読み取りは制限できません。

  • アプリケーション内で、増減科目表はいくつでも登録できます。

  • 増減科目表による入力制限はすべての「業務責任単位」に一律に適用されます。

元帳のオープン/クローズ

入力済みの元帳データを保護するために、「元帳のオープン/クローズ」機能を利用することができます。

同機能では、シナリオごとに期間範囲を指定して、データの入力・修正を許す(オープンする)ことができます。指定された期間範囲以外の期間に属するデータは変更不可の(クローズされた)状態となります。


1. ここで問題にしている「部門」は、入力を担当するユーザの所属部門ではなく、入力されるデータの部門であることにご注意ください。担当者が、一般管理部門の所属であっても製造部門の所属であっても、製造部門について一般管理費データを入力することは許さない、といった場合を想定しています。