設計者

[Excel-Link] と フォームの適用領域は重なっています。どのように使い分けるべきでしょうか。

答えは状況に依りますが、以下にお示ししたガイドラインを検討の出発点として頂ければと考えます。

fusion_place をはじめて使うなら…​

レポート・入力画面としては…​

[Excel-Link] をお勧めします。[Excel-Link] であれば、フォームを使う場合に比べて習得を要する知識が少なく、使い慣れた Excel を活用してすぐに fusion_place のデータにアクセスできます。Excel の機能を活用してレイアウトも自由に工夫することができます。

主としてデータ検証用に用いるレポートには、簡易版フォームもお勧めします。ディメンションを縦軸・横軸に配するだけで必要な全データを簡単に表示することができます([Excel-Link] の場合は、列や行に指定するキーに漏れがあると、そのキーに関するデータは表示されませんので、データ検証用に用いる場合、注意が必要です)。

他システムからのデータを fusion_place に取り込む手段としては…​

簡易版フォームをお勧めします。他システムからのデータは、[Excel-Link] を用いて取り込むこともできますが、そうしたシートを作成するより簡易版フォームを作成する方が簡単です。また、[Excel-Link] に比較して簡易版フォームには次のような優位性があります。

  • 元データが修正された場合には、データを取り込み直す必要がありますが、このような場合、フォームを用いたデータインポートでは、前回取り込んだデータは自動消去されます(※)。[Excel-Link] の場合、前回取り込んだデータのキーについて今回はデータが無ければ、ゼロ値・空白値を作成して書き込んでやらなければなりません(これは、fusion_place 以外の多くの他社ツールが提供するデータ取り込み機能でも同様です)。

  • 変換テーブルを用いたコード変換が可能です。

(※)正確に言えば、フォームを用いたデータインポートでは、[ブラウザ] 画面上で入力可能なセルの値がまず消去されます。通常、前回取り込んだデータが画面上に初期表示されていますので、これが消去されることになります。その後、今回のインポート対象ファイルからのデータが各セルに書き込まれます。

慣れてきたら…​

レポート・入力画面として、フル機能版フォームの使用を検討することをお勧めします。長い目で見れば Excel シートより、フォームの方が維持にかかる手間が少なくなります。維持管理にかかる手間は、通常の Excel シート > [Excel-Link] を用いたシート > フォーム、の順に小さくなります。

下記の様に [Excel-Link]・フォームそれぞれでしかできないこともありますが、その他の大部分の画面や帳票は、どちらで作ることもできます。そのような用途についてはフォームを検討することをお勧めします。

[Excel-Link] でしかできないこと
(例) …

・ 様々なフォントや罫線を細かく使った報告書

・ 複雑な計算式を含むシート
(多くの計算式はフォームでも対応可能です)

フォームでしかできないこと
(例) …

・ 複雑なコード変換を伴うデータインポート

・ ディメンションのメンバツリーの変更が自動的に反映される 「メンテナンスフリー」の画面・帳票の作成
(Excel-Linkでも、テンプレート処理を用いて縦軸項目の並びを可変化することは可能ですが、フォームの方がはるかに柔軟に並びを制御できます)

・ドリルダウンによる画面間の移動

維持管理の手間だけではなく、フォームデザイナに少し慣れれば、作るのもフォームの方が簡単です。Excel では数十行に同じ式をコピーするような場合でも、フォームデザイナなら式をひとつ入力するだけで済み、間違いが起きにくいのです。