提出パッケージ

設計者 管理者

業務プロセスに参加する業務責任単位は、要求されたデータを提出します。一回に提出されるデータのことを「提出パッケージ」と呼びます。曖昧さがない場合、単に「パッケージ」と記述することもあります。

業務責任単位がどのような提出パッケージを提出することが必要かは、業務プロセス定義に含まれる「提出パッケージ定義」により決まります。すなわち、各提出パッケージ定義にて指定された提出ルート定義における末端の業務責任単位が、そのパッケージ定義にて定められた提出パッケージを提出する責任を負います。

提出パッケージ定義がパッケージの種類を表すのに対して、提出パッケージは、実際に提出された個々のパッケージデータを表します。ですから、提出パッケージ定義と提出パッケージは一対多の関係となります。「年度経費予算」という提出パッケージ定義があるとすれば、提出パッケージは、「20xx 年度の A 部署の年度経費予算、第一回提出分」といったものになるでしょう。

パッケージの提出

提出パッケージは「提出」することにより生成されます。生成された提出パッケージは、提出パッケージにて指定されたフォームリストに含まれる全フォームについて、提出パッケージのパラメータ値を適用した場合に表示されるデータを保持しています[1]。以下の点にご留意下さい:

  • 業務プロセスのステータスが、「実施中」でなければ、パッケージを提出することはできません

  • 同じ種類のパッケージ、すなわち同じ提出パッケージ定義にもとづくパッケージを提出済であるときは、それを取り下げるか、提出先に依頼して返却してもらってから、提出して下さい。

    1. フォームの列仕様・行仕様の設定によって表示抑制されている列・行は、保持データの判断においては、表示されているものと見なされます。

    2. 業務責任単位のアクセス許可タイプにより表示不可とされているデータも、保持データの判断においては、表示されているものと見なされます。

    3. 表示されるデータのキーから、期間・表示形式を除外したキーについて、全期間・全表示形式のデータが保持されます。

パッケージに対するアクション

提出済のパッケージに対しては、削除することや内容を変更することはできませんが、以下のアクションを実行できます。

アクションを実行するには、業務プロセスのステータスが、「実施中」でなければなりません。

提出元である業務責任単位が実行できるアクション

取下

業務責任単位は、最終提出先の承認前なら、自らの提出パッケージを取り下げることができます[2]。取り下げたパッケージ自体は削除されず、履歴として残されます。取り下げることにより、その種類のパッケージを改めて提出することができるようになります。最終提出先の承認後は取下は出来ませんので、当該提出先の担当者に「返却」するよう依頼して下さい。

提出先である業務責任単位が実行できるアクション

受付

提出パッケージを受付けます。「受付」は以下の効果を持ちます:

  • 受け付けたデータは、受付けた業務責任単位のワークスペースの元帳版に反映されます。従って、その業務責任単位は、そのデータを他の提出元による提出パッケージデータ等と合計して前年対比するなど、自由に照会・分析することができます。

受付は、以下の条件のもとで実行可能です:

  • 提出ルート上で当業務責任単位の前にある提出先が当該提出パッケージを承認済みであること。

  • 提出元が、当該提出パッケージを「取下」していず、いずれの提出先も、当該提出パッケージを「返却」していないこと。

業務責任単位は、自らが受付不可能な(すなわち未到着の)提出パッケージの内容を照会することはできません。

⚠ 受付により反映されるデータは、提出元業務責任単位が提出パッケージフォームにて書き込み可能な元帳セル範囲に含まれるデータです。「書き込み可能」の判断について、詳しくは以下の条件が適用されます。

  1. 提出パッケージ定義で指定されたフォームリストのフォームを用いて値を直接入力できる元帳セルのみならず、フォーム上での計算結果が反映される元帳セルも「書き込み可能」とみなされます。

  2. 各種のアクセス制限の適用については「業務プロセス管理機能とアクセス制御」に記述の通りです。

承認

提出パッケージを承認します。承認することにより、その提出パッケージは、提出ルート上の次の提出先で受付可能となります(承認する業務責任単位が最終提出先である場合を除く)。

承認は、以下の条件のもとで実行可能です:

  • 当業務責任単位がその提出パッケージを受付済/未承認であること。

  • 提出元が、当該提出パッケージを「取下」していないこと。

返却

提出パッケージを返却します。返却することにより、その提出パッケージは、提出元に戻されます。すなわち、提出元は、同じ種類のパッケージ、すなわち同じ提出パッケージ定義にもとづくパッケージを提出できるようになります。なお、返却されたパッケージ自体は削除されず、履歴として残されます。

返却は、以下の条件のもとで実行可能です:

  • 当業務責任単位がその提出パッケージを受付可能かまたは受付済/未承認であること(ただし、最終提出先は、承認後であっても返却することができます)。

  • 提出元が、当該提出パッケージを「取下」していないこと。

再取込

受付済みの提出パッケージの内容を受付けた業務責任単位のワークスペースの元帳版に反映します。これは、その提出パッケージを受付けたタイミングで行われる反映処理(上述)と同じ内容です。提出パッケージに対する取下・返却の結果、複数の提出パッケージを受け付けることになる場合があります。このような場合、再取込によって、以前の提出パッケージの内容をいつでもワークスペースの元帳版に反映します。

パッケージの内容の照会

提出済のパッケージの内容は、以下のいずれかの方法で照会することができます:

  • [コントリビュータ] のワークスペース画面にて照会する。

  • [Excel-Link] を用いて照会する。提出パッケージのデータに [Excel-Link] でアクセスするには、特殊な「元帳版キー」を用います。 元帳データの版管理に関する説明を参照下さい。

いずれの場合でも、照会できるのは、該当パッケージの提出元および、該当パッケージを受付可能あるいは受付済の業務責任単位に限られます。


1. 通常、留意する必要はありませんが、正確に言うと、以下の補足条件が適用されます
2. ただし、業務プロセス定義の項目「手動で承認済みの提出パッケージは取下不可とする」をチェックした場合には、最終提出先以外であっても手動で(すなわち、自動承認によらず)承認された提出パッケージは、取下不可となります。