シナリオ表

設計者 管理者

シナリオについて

シナリオとはなにか

シナリオとは、たとえば「実績」、「予算」、「見込み」など各年度の事業活動がどのように進むのか(または進んだのか)という「筋書き」の種類を意味します。

シナリオは設計オブジェクトです。設計者はひとつのアプリケーション内に任意の数のシナリオを含めることができます。

最小期間単位

シナリオごとに「最小期間単位」を指定することができます。
たとえば、期間表での最小期間が「月」であっても、シナリオの最小期間単位を「四半期」とすれば、そのシナリオのデータは四半期単位でしか保持されません。なおこのとき四半期末月以外の「月」はデータ入力不可となります(四半期末月は、それを含む四半期と同一視されるので、入力可です)。

期間表の最小期間単位を日別等、細かい単位で設定する一方、一部のシナリオでは月単位等大括りな期間単位でしかデータを保持する必要が無い場合、最小期間単位を適切に設定することで、データ容量の増大を防ぐごとができます(※)。

※ fusion_place では、期間・表示形式を除くメンバの組合せをデータ保持単位としており、その単位ごとに、ひとつの期間にデータが存在すれば、全最小期間分のデータ領域が確保されます(表示形式別のデータは検索時に導出されるため、表示形式の数はデータ容量には影響しません)。

保証表示形式(入力可能表示形式)

シナリオごとに「保証表示形式」を指定することができます。
保証表示形式には、元帳のデータを変更した際に、変更した期間の後続期間において、変更の影響を受けないことを保証する表示形式を指定します。

データの参照はいずれの表示形式でも可能ですが、各シナリオのデータ入力は、保証表示形式でのみ許されます

(詳細資料)保証表示形式について

前年度シナリオ

シナリオごとに「前年度シナリオ」を指定することができます。増減科目ディメンションにおいては、「前期残高」の値が前年度の「期末残高」から引き継がれますが、ここで、どのシナリオの「期末残高」を引き継ぐかを示す属性が「前年度シナリオ」です。

多くの場合、シナリオの前年度シナリオはそのシナリオ自身です。これがあてはまらない例として、当年度の期末残高実績が確定する前に、当年度の期末見込みをもとに来年度の予算を作成するケースが考えられます。この場合では、下図のように「予算」シナリオの前年度シナリオは「見込み」とすべきかもしれません。

previous year scenario

残高引継ぎが必要なのは「バランス勘定科目」だけです。フロー勘定科目しか使用しない場合や「前年度末残高」の数値を使用しない場合、期首引継ぎは必要ありません。そのようなケースでは、前年度シナリオとしてはそのシナリオ自体を指定しておいて特に問題ありません。

※ なお、fusion_place では、「繰越処理」はありません。新規年度を追加すれば、それだけで、旧年度の年度末残高が新年度に引き継がれます。その後、旧年度残高を修正すれば、いつでも、新年度の期首残高に自動的に反映されます。

元帳版管理の対象から除外する ( fusion_place >= 12.1 )

シナリオごとに、元帳版管理の対象から除外するかしないかを指定可能です。

シナリオを元帳版の管理対象から除外した場合、共有作業版以外の元帳版に含まれる当該シナリオのデータは削除され、共有作業版の同シナリオデータが、全元帳版共通の当該シナリオデータとなります。
たとえば、実績シナリオを元帳版の管理対象から除外すると、 既存の元帳版業務プロセスの元帳版 、どの元帳版を選択しても実績シナリオは同じデータが見えるようになります。

また、元帳版の管理対象から除外したシナリオを、新たに元帳版の管理対象とした場合は、全元帳版共通のデータは全て削除されます

元帳版の詳細は、「元帳 > 元帳データの版管理 」をご参照下さい。

シナリオを元帳版の管理対象から除外することは、主に業務プロセス(ワークフロー)機能を利用している場合に有用です。以下のような用途に用いることができます。

  • 版管理する必要がないシナリオに関するデータ量を削減する(業務プロセス機能では、業務責任単位ごとに元帳版が付与されるため、運用によりデータ量が増えている場合があります)

  • ワークスペース間でデータを授受したい場合の中間的なデータ置き場として利用する

シナリオを元帳版管理から除外する際の注意事項

シナリオを元帳版管理の対象外にすることにより、当該シナリオに関連する全てのデータが版管理の対象から外れます。そのため、シナリオ内に版管理が不要なデータと、版管理が必要なデータが混在していないか注意が必要です。

データが混在する典型的な例としては、実績数値と予実差異コメントの両方を実績シナリオに保持しているケースが挙げられます。
前者は版管理の必要はありませんが、後者はコメントをワークフローで収集する場合に版管理が必要です。
このようなケースでは、本機能を直ちに適用することはできません。適用する前に、予実差異コメントを別シナリオに持つようアプリケーション設定を変更する必要があります。

集約レベル数値編集の許可

シナリオごとに、集約レベルの数値編集を許すか許さないかを指定可能です。また、集約レベルの数値編集を許すとした場合には、さらに、従属レベルのセルの数値を変更した場合に、集計レベルの数値には影響を与えず従前のまま維持するよう指定することもできます。

詳細は、「元帳 > 元帳セル値の入力と集計」をご参照下さい。

シナリオディメンション

シナリオ表の登録内容はシナリオディメンション(#SCENARIO)に反映されます。登録されたシナリオをもとに、シナリオディメンションのメンバが自動生成されます。シナリオに親子関係はないのでツリー構造は生成されません(すべてのメンバがルートメンバとなります)。

メンバタイプはすべて「システム予約」となります。