セル仕様

設計者

セル仕様は、 列仕様と行仕様 を補完し、同一行(列)内でも列(行)ごとに、異なるデータソースや計算式、金額・数値の表示方法などを指定するために用います。これらの情報をセル仕様に直接記述することもできますが、行仕様と列仕様の衝突を調停するルールを記述することもできます。

列仕様と行仕様の組み合わせごとにセル仕様を 1 つ登録することができます。セル仕様は、必要な場合にだけ登録すればよく、列仕様と行仕様の組み合わせすべてについて登録する必要はありません。

セル値表示・編集ルール

項目 設定内容

データソース

セルの「 データソース 」のデフォルト値。セル仕様のデータソースに元帳・メンバが指定されていない場合、列定義と行定義の組み合わせごとに、 調停 により決定されます。

計算式

セルに表示される値を算出するための テキスト式 。 計算式の結果は(数値ではなく)文字列であってもかまいません。

計算結果を元帳に反映

計算式で算出した値[1]を元帳に書き込むようにしたい場合に、その旨を指定します(指定しなければ算出値は表示されるだけで元帳に書き込まれません)。
書き込む場合には、対象各セルについて、データソース(元帳とディメンションメンバ)が不足なく指定されている必要があります。

書き込み対象である元帳セルのデータタイプが論理値または列挙値の場合、計算結果の書き込みに以下のルールが適用されます。

論理値の場合

計算結果が空白文字列の場合、空白値が書き込まれます。
計算結果が、前後の空白、大文字小文字の区別を無視して True と一致する場合、True が書き込まれます。
それ以外の場合、False が書き込まれます。

列挙値の場合

計算結果が空白文字列の場合、空白値が書き込まれます。
それ以外の場合、計算結果がラベルと見なされ、前後の空白、大文字小文字の区別を無視して、値リスト中で同じラベルを持つ項目(列挙値の勘定科目の値定義ディメンションのメンバ)が選択されたものとして書き込まれます。そのような項目がない場合は空白値が書き込まれます。


1. 元帳に反映される算出値の計算にあたって、言語は常に英語が適用されます(クライアント側で他の言語を選択していても、サーバ側で英語により計算し直されます)。これは、クライアント側で選択されている言語に応じて書き込み値が変わるのを防ぐためです。一般に、言語に応じて元帳に書き込むべき値が影響を受けるようなフォーム設計は望ましくありません。

金額・数値の表示/入力方法

セルに適用する 金額・数値の表示/入力方法 。セル仕様の金額・数値の表示方法が指定されていない場合、セルに適用する金額・数値の表示形式は、 調停 により決定されます。

文字列値をマークアップで書式設定する
(fusion_place >= 10.0)

この項目をチェックした場合、[ブラウザ] および [コントリビュータ] において、元帳セルのデータタイプが文字列値の場合に、マークアップで書式設定された文字列を解釈して表示します。

セル仕様がないセルについては、列仕様・行仕様いずれか一方でチェックされていれば、マークアップの書式設定が解釈されます。
セル仕様があるセルについては、セル仕様の指定が、列仕様・行仕様の同項目の指定に優先します。すなわち、列仕様・行仕様で同項目がチェックされていても、セル仕様でチェックされていなければ後者の指定が優先されます。

マークアップの詳細については サポートされているマークアップ形式 をご参照ください。

符号表示タイプ

金額・数値を表示する際の符合の表示方法を指定します。

  • 勘定科目属性に従う

  • 借方を + とする

  • 貸方を + とする

セル仕様の符号表示タイプが指定されていない場合、実際に適用される符号表示タイプは、列仕様と行仕様の組み合わせごとに、 調停 により決定されます。

セルを保護(入力禁止)

セルを保護、すなわち入力禁止とする旨を指定します。デフォルト値はチェックなし、すなわち「禁止しない」です。
保護されない場合でも計算セルは入力不可であり、計算セル以外は、結び付けられた元帳セルの入力可否に従って、入力可否が決定されます。

セル仕様がないセルについては、列仕様・行仕様いずれか一方でチェックされていれば、セルは保護されます。
セル仕様があるセルについては、セル仕様の指定が、列仕様・行仕様の同項目の指定に優先します。すなわち、列仕様・行仕様で同項目がチェックされていても、セル仕様でチェックされていなければ後者の指定が優先されます。

フォームにて変更したデータの保存時、保護されたセルは元帳への反映対象外とされます。例えば、保護されたセルの値が、データ取得してから保存までの間に他のユーザにより変更されていた場合、保存処理によってその値が元に戻ることはありません。他のユーザによる変更が優先されます。

調停ルール

行仕様と列仕様の間に記述の衝突がある場合、デフォルトでは行仕様の記述が優先されます。それを変更したい場合、調停ルールを用います。詳しくは 調停 をご参照ください。

項目 設定内容

元帳調停ルール

データソースの元帳指定について、行指定と列指定のどちらを優先するかを指定します。

金額・数値の表示方法調停ルール

金額・数値の表示方法について、行指定と列指定のどちらを優先するかを指定します。

計算式調停ルール

計算式について、行指定と列指定のどちらを優先するかを指定します。

符号表示タイプ調停ルール

符号表示タイプについて、行指定と列指定のどちらを優先するかを指定します。

メンバ指定調停ルール

データソースのメンバ指定について、ディメンションごとに行指定と列指定のどちらを優先するかを指定します。

バリデーションルール

セル仕様には、バリデーションルールを登録することができます。バリデーションルールとはデータチェックのルールであって、[ブラウザ][コントリビュータ] でのデータ保存時、および、業務プロセス管理機能におけるパッケージ提出時に、データのチェックに用いられます。各バリデーションルールには以下の項目が含まれます。

項目 設定内容

名称 必須

バリデーションルールの名称を指定します。

バリデーションレベル 必須

バリデーションのレベル(厳格度)を、「注意」「誤り」の 2 段階で指定します。

注意

このバリデーションレベルを付与されたルールに違反すると、警告を受けますが、データを提出することはできます。

誤り

このバリデーションレベルを付与されたルールに違反すると、データを提出することができません。

保存時に適用

[ブラウザ][コントリビュータ] でのデータ保存時にバリデーションルールを適用する場合にチェックする。チェックすると、バリデーションレベルが 注意 の場合、ルール違反に対してメッセージは表示されるが、データを保存することは出来る。誤り の場合、保存できなくなる。

リクエスタ及び [Web-API] でのデータインポート時には、バリデーションルールは適用され無い。

バリデーションルール(テキスト式) 必須

テキスト式 を用いてバリデーションの条件を記述します。セル範囲のセル各々についてここで記述された式が評価されます。
結果が True であれば、バリデーション条件に準拠しており、False であれば違反していると見なされます。

ワークフローでの提出時には、バリデーションルールの評価にあたって、英語が適用されます(クライアント側で他の言語を選択していても、サーバ側で英語により計算し直されます)。これは、クライアント側で選択されている言語に応じて判定結果が変わるのを防ぐためです。一般に、言語に応じてバリデーション判定結果が影響を受けるようなフォーム設計は望ましくありません。

上記ルール違反時のメッセージ(テキスト式) 必須

上述のバリデーション条件に違反した場合に表示されるメッセージを テキスト式 で指定します。テキスト式は言語ごとに指定できます。

ドリルダウン

ドリルダウンは、特定の条件が満たされたセルをクリックすると、他のフォームに遷移することを言います。ドリルダウン仕様はドリルダウン実行可能条件とドリルダウン先フォームが対になっており、複数登録することが出来ます。複数登録されたドリルダウン仕様は、セル毎に 1 番目から順にチェックされ、ドリルダウン実行可能条件が満たされた最初のドリルダウン仕様が適用されます。各ドリルダウン仕様には以下の項目が含まれます。

項目 設定内容

名称 必須

ドリルダウン・ケースの名称を指定します。

ドリルダウン先アプリケーション
( fusion_place >= 12.1 )

ドリルダウン先のアプリケーションを指定します。指定しなければこのアプリケーション自身がドリルダウン先として使用されます。
マルチアプリケーションドリルダウンの具体的な利用方法・制約は Q&A:マルチアプリケーションドリルダウン機能サンプル をご参照ください。

ドリルダウン先フォーム

ドリルダウン先のフォームを指定します。指定しなければこのフォーム自身がドリルダウン先として使用されます。

ドリルダウン実行可能条件

ドリルダウン可否を判定する条件をテキスト式にて記述します。ここにテキスト式を指定した場合、そのテキスト式の評価結果が True となるセルについてのみドリルダウンが許されます(すなわち、セル値がクリック可能となります)。テキスト式が指定されていなければ、常にドリルダウン可能となります。