ディメンションの借用

設計者 管理者

まったく同じ内容を持つディメンションが複数必要となる場合があります。たとえば連結会計では、グループ会社間の取引高データを、会社ごと、かつ、相手会社ごとに区分して把握することが必要です。fusion_place では、このような場合、「会社ディメンション」と「相手会社ディメンション」を別のディメンションとする必要があります。

しかし、2つのディメンションの内容に違いは無いはずです。ですから、会社ディメンションの内容を修正したときに、相手会社ディメンションにもその修正が自動的に反映されることが望まれます。

このための仕組みが、「ディメンションの借用」です。

設計者が相手会社ディメンションを新規作成する際に、「借用するディメンション」として会社ディメンションを指定しておけば、会社ディメンションの内容がそのまま相手会社ディメンションの内容に反映されるようになります。

⚠ 「ディメンションの借用」の適用対象は、借用元も借用先も一般ディメンションに限られますので、ご注意ください。

ディメンションの借用とメンバリスト

ディメンションを借用する場合、メンバリストでのメンバ選択式の記述方法に留意する必要があります。

上述のように、「会社/ENTITY」ディメンションを借用して「相手会社/PARTNER」を作成する場合を想定して下さい。会社ディメンションのメンバリスト定義のメンバ選択式に以下のような記述があったとします:

  Dimensions!ENTITY!@CUR

これは、会社ディメンションに関する「現在のメンバ」を指定しています。会社ディメンションにおいてこのメンバリスト定義を評価すると、個々の検査対象のメンバが、この式で指示されます。

ところが、相手会社ディメンションでこのメンバリスト定義を評価する際には、会社ディメンションについては「現在のメンバ」が空となるので、意図した結果が得られません。 このような問題を避けるためには、上述の式を以下のように変更します。

  Dimensions!@CUR!@CUR

このように記述すると、「Dimensions!@CUR」は、メンバリスト定義が会社ディメンションにおいて評価されると会社ディメンションを指し、相手会社ディメンションにおいて評価されると相手会社ディメンションを指しますので、上述のような問題を回避することが出来ます。

以上は、@CUR 関数を使う場合に限らず、メンバ選択式内で、現在のディメンションを指定する場合全般に当てはまります。